中途退学を考えている君へ

20代男性


 私は、高等学校に在学して、今年で7年目になります。7年という月日が物語るように、人より長く遠回りして、時間をかけてここまで来ました。これまでの中で、私がまともに学校に通えるようになったのはいまから2年ほど前のことで、これまでは学校に通えなかった不登校でした。
 中学校に入ってすぐに環境の変化に戸惑い、通うことができなくない、鬱屈(うっくつ)とした日々を過ごしていました。・・・・

・・・ 「これでは、いけない。ここで逃げ出すわけにはいかない。」と何度も自分を叱咤(しった)し、奮(ふる)い立たせてきました。・・・

・・・ 今思えば、自分自身が変わらないと、どんな状況に身を置いても根本は変わらないということ。そこに踏みとどまることで、わずかでも強くなれると、考えられるようになりました。・・・

・・・ 先生が私を受け入れてくれることに安心感を持てたことで、私はさらに深く自分自身を見つめることができました。他者との関係の築き方、問題を解決するための考え方、そして、学校に通う力を徐々に身につけていくことができました。今まで不思議にふさぎ込み、悶々とした不安にかられていた日々から抜け出し、心身に活力が満ちてくるようでした。それからは、さまざまな困難にも対応できるようになり、・・・

・・・ 自分自身を客観的に見つめられるようになった私は、まずは冷静になれる時間をつくり、自分の心の声に耳を傾けました。そして、今の私はどうしたいのか、卒業に対する気持ちはどうなのかと、自問自答することで気持ちを再確認し、学校を継続することができました。

・・・ 多くの人の心に触れ、人は人との思いやりの中で生きていると感じました。私が、自立し、生きていくために、必要な時間を過ごしてきました。7年という長い年月を経て、その時間は決して無駄ではなかったと、心から思います。これまでの経験を糧(かて)に、これからの私の人生に妥協(だきょう)することなく、しなやかに生きていきます。