中途退学を考えている君へ

40代女性


 今から32年前、家庭の事情で高校進学を断念し、中学卒業後、私は生きるために必死に働きました。
・・・ なんとか一人息子も親元を離れ、母親の役割も一段したと感じた時、何気なく観たテレビ番組で、評論家の方が話していた言葉に心ひかれました。

「早く咲く花もある。遅く花もある。焦らずともどの花もきれいに咲き、輝くのです。」

人生を季節ごとに咲く花にたとえたその言葉に、「私も遅すぎることはないのだ」ずっと心の中に秘めていた高校進学への思いがわき起こってきたのです。

〈 中 略 〉

まず、授業を理解することにとても時間がかかりました。特に英語はほとんど記憶になく、英単語や英文法を覚えるためにくりかえしくりかえし書きました。
できることなら中学生に戻って一からやり直したいと思ったものです。
必修であるパソコンの授業では、なかなか扱えず悪戦苦労の連続でした。

〈 中 略 〉

(古典を学ぶことで、)千年も前に使われていた言葉が、現在の生活の中でも当たり前のように存在していることに気付かされ、感動を覚えました。もし、あの時、学校へ行くことを望まなければ、一生知らないまま過ごしていたかと思うと、改めて学ぶことの大切さを感じています。
 子育てを枝、あこがれていた高校への道は、正しい選択であったと実感しています。
その中で思うことは、どんなに素晴らしい先生と出会っても、自分で学ぶ志がなければ、学校に来る意味がないと言うことです。「自分が努力した結果は、全て自分に返ってくる。」いくつにあっても「学びたい」という思いがあれば、道は開かれると思います。私は、これからも常に何かを学び取ろうという姿勢を大事にし、私なりの夢や目標を持って、一歩一歩進んでいきます。自分の道をさらに開いていくために。